富田林市の鉱泉湧出地点一覧

ここでは、2020年8月までに、大阪府富田林市で発見した湧出している鉱泉について掲載しています。

 

 

 

富田林市における鉱泉湧出地点の分布図

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富田林市鉱泉分布図(国土地理院より)

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富田林市鉱泉分布図詳細地図(国土地理院より)

①小金台国道309号線沿い

309号線沿いの水抜き管から湧出している。元々この区間の道は309号線のできる前は谷だったのだが、それが関係しているのは不明。

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図3 小金台区間309号線沿い

②汐ノ宮火山岩(潮湧岩) 富田林市 横山地区

富田林市の湧出地点のなかでは昔から最もよく知られている場所で、文献資料が様々な形で唯一存在する。西国三十三名所図解や河内名所図解、鑑名所記においては

横山天神 大石より塩出ル故以穴塩寺と号 (河内鑑名所記より)

  

のように、近くにある安山岩の露頭と共に紹介されている。*1 横山天神祠は現在研修センター*2 の建っているこの安山岩の露頭の上にあったが、明治四十年(1907)に春日神社に合祀されている。その後1930年代に同じ場所に大阪鉄道の出資で戦後まで汐ノ宮温泉旅館が存在し。廃業した後から現在に至るまで、同じ温泉を利用した研修センターが存在する。*3穴塩寺は現在の横山地区に存在したらしいが明治4年に廃寺になっていて、関係性は不明。現在湧出している場所は昭和中期に上流に滝畑ダムが作られて水位が低下するまで見えてなかったため、鑑名所記や河内・西国名所図会*4 で紹介されている物とは別の湧出地点であると考えられる。

 

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図4現在の湧出地点



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図5湧出地点周辺

③嶽山

 願招寺に続く道とその道に流れてくる水路の上流にあるらしく、下流鉱泉が流れた後の場所に水酸化鉄の沈殿物がある。同じ嶽山の奥ノ谷でも発見したので,嶽山の他の周辺でも湧出しているようである。

 嶽山自体は、②の湧出地点にある汐ノ宮火山岩(潮湧岩)や二上山と同じころにできた旧瀬戸内火山帯の休火山であるが、関係性があるのかどうかは不明。火山形成後に断層が多く形成されたらしく、それが影響している可能性がある。

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図6 嶽山湧出地点下流水路

④金胎寺山(大阪府富田林支援学校構内)

過去に大阪府富田林支援学校の敷地内から湧出していたらしく、現在は枯れているがその湧出地点跡に赤い染みだけがついている。また、現在では跡地のすぐ横の側溝から湧出している。

また、支援学校で一部の職員には認知されていたらしく、10年ほど前に1人支援学校の校長先生がポリタンクで温泉を汲み家に持って帰っていたそうだが、現在は故人となっており一体何に使用したのか詳細は不明である。

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図7 支援学校に存在していた湧出跡、水酸化鉄の沈殿物だけが残っている

                    

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図8 現在の湧出地点

他に湧出したのを見た事があるよ、という人は、コメントなどで情報提供いただけますと幸いです。

 

 

 

 

 



 

*1:河内鑑名所記自体は江戸時代に発行された名所とそこにまつわる和歌を紹介する本である。https://www.wul.waseda.ac.jp/kotenseki/html/ru04/ru04_01837/index.html

*2:温泉研修センターホームページhttps://www.cacgr.co.jp/kensyu-center/

*3:この辺りに関しては情報が多すぎて混乱するため、他のブログ様の方がわかりやすいと思います。https://ameblo.jp/idryou/entry-11909580907.html

*4:名所図会は江戸時代に発行された今のるるぶのようなガイドブックである。ここでも潮湧岩として紹介されている。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%90%8D%E6%89%80%E5%9B%B3%E4%BC%9A